更年期世代に増える「眠りの悩み」、その正体とツボでのケア

睡眠セルフケア

「更年期に入ってから、眠りの質が変わった気がする」というご相談を、施術の現場でよくいただきます。

先日も40代の患者様が、「寝つきは悪くないのに、夜中に何度も目が覚めてしまう」と話してくださいました。

実は更年期の眠りの悩みには、大きく2つのタイプがあります。まずは、ご自身がどちらに近いか確認してみましょう。

タイプA:寝つきが悪いタイプ

布団に入ってもなかなか眠りに落ちず、考えごとが続いてしまう方です。施術の中では、40代前半の患者様にこの傾向が多いと感じています。

エストロゲンの分泌が大きく揺らぎ始める時期で、自律神経の切り替えがうまくいかず、交感神経が優位なまま夜を迎えてしまうことが背景にあります。

タイプB:中途覚醒タイプ

寝つき自体は悪くないものの、夜中に何度も目が覚めてしまう方です。

40代後半から50代にかけて増える傾向があり、体温調節の乱れによってホットフラッシュのような感覚で目が覚めるケースも少なくありません。
どちらのタイプも、ホルモンの変動が自律神経に影響を与えている点は共通しています。

東洋医学から見る、2つのタイプの違い

東洋医学では、これらの変化を「腎(じん)」の力が緩やかに変化していく時期として捉えます。寝つきが悪いタイプは、腎の働きと深く関わる「肝(かん)」の気が乱れ、頭に気が集まりすぎている状態と考えられます。

中途覚醒タイプは、体を温める腎の力そのものが揺らぎ、深い睡眠を維持する力が一時的に弱まっている状態と捉えられます。

どちらのタイプにも効くツボ「三陰交(さんいんこう)」

位置:内くるぶしの一番高いところから、指4本分上にある骨のきわ。

 

期待できる効果:婦人科系の不調全般に用いられる代表的なツボで、ホルモンバランスの変化に伴う体調のゆらぎを整える手助けになるとされています。

 

押し方:親指の腹でゆっくり5秒押して離す動きを5回ほど繰り返します。お風呂上がりや寝る前、体が温まっているタイミングで行うと心地よく感じやすくなります。

専門家コラム:タイプは固定ではなく変化していく

施術の中で感じるのは、同じ方でも時期によってタイプAからタイプBへ変化していくケースが多いということです。

 

一度ご自身のタイプを知っておくと、変化が起きたときにも落ち着いて対応しやすくなります。

毎日の暮らしで意識したい食事の工夫

  • 大豆製品(豆腐・納豆・豆乳):イソフラボンを含み、ホルモンバランスが揺らぐ時期の食生活の工夫として知られています。
  • 黒ごまや黒豆などの黒い食材:腎を補う食材として東洋医学で重宝されています。
  • 常温〜温かい飲み物:冷たい飲み物を控えるだけで、体の巡りが穏やかに保たれやすくなります。

タイプ別の補助的な過ごし方

タイプAの方には、寝る前にスマホから離れて頭の興奮を鎮める時間を作ることが特に役立ちます。

タイプBの方には、寝室の温度をやや低めに設定し、体温の変化に対応しやすくしておくことが効果的です。

日中の過ごし方もタイプ判断のヒントになる

日中の体調にも、タイプごとの傾向が現れることがあります。タイプAの方は日中も気が張りやすく、ふと一息つく時間を意識的に作ることが効果的です。タイプBの方は午後になるとだるさを感じやすいため、軽いストレッチで巡りを促す習慣が役立ちます。

汗のかき方の変化にも注目を

タイプBの方は、急に汗が出る、あるいは以前より汗をかきにくくなるなど、汗のかき方に変化を感じることも多いです。
これも自律神経の調整がうまくいかないサインのひとつと考えられています。

汗をかいた後は体が冷えやすくなるため、こまめに着替えたり、汗を吸う素材の服を選ぶといった工夫も、巡りを整える一助になります。

おわりに

眠りの悩みは、人に話しづらいと感じる方も多いものです。同じ更年期世代の友人と話してみると、似た悩みを抱えていることに気づくケースも少なくありません。

更年期世代の眠りの変化は、決して特別なことではなく、体が「次の段階」へ移行していく自然なプロセスです。

三陰交のツボケアと、ご自身のタイプに合わせた過ごし方を、今日から少しずつ取り入れてみてください。

更年期で眠れない夜は、体が「古い自分」を手放すサインかもしれないもあわせて読むと、この時期との付き合い方がより深まります。

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