夜中に見た時計は、翌晩の目覚ましになる|「今何時?」を手放す眠り方

鍼灸師の養生コラム

金曜の夜にお届けする、短い眠りのQ&Aです。今夜は、夜中のあの小さな癖について。

Q. 夜中に目が覚めたとき、時計を見てもいいですか?

A. 見ないほうがよく眠れます。夜中に見た時刻は、頭を起こすだけでなく、「翌晩の目覚まし」を予約してしまうことがあるからです。

ふっと目が覚めて、薄目のまま枕元へ手を伸ばす。画面の光に「2:47」——その瞬間、「あと4時間しかない」の引き算が始まって、目はもうぱっちり。心当たりのある方、多いのではないでしょうか。

時計は「今」だけでなく、「明日」も起こす

理由はふたつあります。ひとつめは単純で、時刻の確認は計算だから。あと何時間眠れるか、起きられるか——数字をいじり始めた頭は、もう仕事中の頭です。

ふたつめが、あまり知られていません。体には、「起きる」と決めた時刻に向けて、目覚めの準備を進める仕組みがあります。遠足の朝、目覚ましより先に目が開く、あの現象です。

ところが夜中に「2時47分」と確認してしまうと、体はその時刻を律儀に覚えます。夜中の時刻確認を繰り返すほど、翌晩も同じ時刻に目が覚めやすくなる、と睡眠改善の現場では指摘されています。頼んだ覚えのないモーニングコールを、自分で予約しているようなものなのです。

鍼灸師の豆知識:昔の夜は、2時間刻みでした

東洋の伝統的な時法では、一日を子の刻・丑の刻と、十二支で2時間ずつに区切っていました。夜は「だいたい丑のあたり」で十分だったのです。

夜を分単位で見張れるようになったのは、長い歴史のなかではごく最近のこと。眠っている体まで分刻みで採点しなくていい、と昔の時間の数え方が教えてくれている気がします。

今夜からできる、時計との距離のとり方

やることはひとつだけ。目覚ましをセットしたら、時計は伏せる。スマホは手の届かない場所へ。アラームさえ生きていれば、夜中のあなたが時刻を知る必要は、じつはどこにもありません。

夜中に目が覚めたら、確かめるのは時刻ではなく、窓の外が「まだ暗いか、もう明るいか」だけ。暗ければ、夜はまだたっぷりあります。数字の代わりに、吐く息をすこし長くして、体を布団に預け直してください。

目が覚めること自体は、責めなくて大丈夫。眠りには浅くなる波が自然にあります。問題は起きた事実ではなく、そこで数字を拾ってしまうこと。拾わなければ、夜はまた静かに続いていきます

布団に戻ってもなかなか寝つけない夜は、布団の中で5分!自律神経を整えて眠気を誘う『安眠のツボ』3選もあわせてどうぞ。今夜は時計を伏せて、朝の光に起こしてもらいましょう。

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