朝スッキリ起きられない原因は『夜間の寝返り』にあり?東洋医学的アプローチ

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ぐっすり眠ったはずなのに、朝起きると体が重い。腰や肩がこわばって、しばらく動けない。

睡眠時間は足りているのに、なぜか朝に重さが残る。そんなご相談を、施術の現場でよくいただきます。

その重さ、寝ている間の「寝返り」が減っていることが関係しているかもしれません。寝返りは、眠っている間に体が自分でおこなう、大切なメンテナンスなのです。

寝返りは、寝ている間の「衣替え」

寝返りは、単なる寝相の悪さではありません。体の同じ場所に圧力がかかり続けないよう、自分で姿勢を変える生理的な動きです。

たとえるなら、衣替えのようなもの。同じ服を着続けると傷むように、同じ姿勢で寝続けると、その部分の血管が圧迫され、筋肉が酸素不足のような状態になります。寝返りは、体重のかかる場所をこまめに入れ替えて、体を守っているのです。

一晩に20〜30回ほどが目安とされますが、この回数が極端に少ないと、同じ部位に長く圧力がかかり続けます。朝のこわばりや重だるさは、夜のあいだに衣替えがうまくできなかったサインかもしれません。

東洋医学から見る、深夜1時から3時の「肝」

東洋医学では、深夜1時から3時ごろは「肝(かん)」がもっとも活発に働く時間とされています。

肝には、ふたつの大切な役割があります。ひとつは血液を蓄える「血を蔵す」こと。もうひとつは筋肉や腱をしなやかに保つ「筋を主る」ことです。この時間にしっかり眠れていると、肝に血が戻り、筋肉が心地よくゆるんで、自然と寝返りが打てると考えられています。

ところが、日中のストレスや、スマホによる目の使いすぎが重なると、肝の気の巡りが滞ります。すると夜になっても筋肉の緊張が抜けきらず、寝返りが打ちづらくなります。東洋医学では「肝は目に通じる」とも言われ、目の疲れが肝の働きに直接ひびくと考えられているのです。

寝返りを助けるツボ「太衝」

肝の巡りを整えるために、鍼灸師として私がよく使うのが、足の甲にある「太衝(たいしょう)」というツボです。

場所は、足の甲、親指と人差し指の骨が交わる手前のくぼみ。指でなで上げていくと、骨と骨の間で自然に止まるところです。肝の気の巡りを整える代表的なツボとされています。

太衝(たいしょう)の押し方

お風呂上がりや寝る前、親指の腹をツボに当て、息を吐きながら3〜5秒押して、ゆっくり離します。左右それぞれ5回ほど繰り返してください。

「痛気持ちいい」と感じる程度の力で十分です。目の疲れを感じた日ほど、ここが固くなっていることがあります。

寝る前のひと工夫で、筋肉をゆるめる

ツボ押しと合わせて、寝る前に筋肉をゆるめておくと、寝返りがいっそうスムーズになります。

軽く肩を回す、大きく伸びをする。それだけでも、こわばった筋肉はほぐれます。特に一日中座りっぱなしだった日は、寝る前に背中を伸ばす動きを取り入れると、寝返りのしやすさが変わってきます。

食の面では、梅干しや柑橘類などの酸味は東洋医学で肝を養う味とされ、レバーやほうれん草などの鉄分を含む食材は「血を蔵す」肝の働きを支えます。なつめやクコの実も、肝と血を補う食材として薬膳で親しまれてきました。

枕の高さと、寝室の温度差を見直す

寝返りのしやすさは、寝室の環境にも左右されます。

枕の高さは特に大切です。高すぎる枕は首が不自然に曲がり、寝返りに余計な力がいります。低すぎても頭が不安定になります。横向きになったとき、首と背骨が一直線に近くなる高さを選ぶと、寝返りがスムーズになります。

寝室の温度差にも目を向けてみてください。真夏や真冬は布団の中と外の温度差が大きく、その差を感じるたびに体が反応して、寝返りのリズムが乱れがちです。寝る前の水分も、コップ一杯ほどを目安にすると、夜中に目が覚めて寝返りのリズムが分断されるのを防げます。

寝具から「寝返りやすさ」を支える

過ごし方やツボ押しを工夫しても寝返りがしづらいときは、寝具そのものを見直すのもひとつの方法です。

体格や寝相によって合う寝具は違うので一概には言えませんが、NELLマットレスのように、寝返りのしやすさに特化して設計された寝具もあります。鍼灸師としてこうした寝具をすすめる理由は、適度な反発力があると、寝返りに必要な力が少なくて済み、体への負担が減るからです。

すでに今の寝具で心地よく眠れている方には、急いで替える必要はありません。寝具を替えても寝返りがしづらい、朝の重さが続く、という方の選択肢のひとつとして覚えておいてください。

おわりに

朝の体の重さは、夜のあいだに寝返りという衣替えがうまくできなかったサインかもしれません。

今夜は、太衝にそっと触れて肝をいたわり、軽く伸びをしてから布団に入ってみてください。体がのびやかにゆるむと、寝返りは自然と打ちやすくなります。

※ストレスで目が冴えてしまう夜が多い方は、こちらのストレスで脳がのぼせて眠れない夜に。気を落ち着かせる睡眠セルフケアもあわせてご覧ください。

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