布団に入っても、なんだか息が浅くて落ち着かない。気づくと胸のあたりが詰まったような感じがする。
そんな夜は、なかなか寝つけないものです。
呼吸の浅さと眠りにくさは、深くつながっています。呼吸が浅いままでは、体は「休息モード」に切り替われないからです。
なぜ呼吸が浅いと眠れないのか
呼吸は、自律神経と直結しています。
浅く速い呼吸は、体を活動モードにする交感神経を優位にします。逆に、深くゆっくりした呼吸は、休息モードの副交感神経を引き出します。
ストレスや緊張が続くと、無意識のうちに呼吸が浅くなり、交感神経が優位なまま夜を迎えてしまいます。これでは、布団に入っても体が眠る準備に入れません。
デスクワークで前かがみの姿勢が続くことも、胸が圧迫されて呼吸を浅くする一因になります。
あなたの呼吸は浅くなっていないか
自分の呼吸が浅いかどうかは、意外と気づきにくいものです。次のような状態に心当たりがないか、確かめてみてください。
- 気づくと口で呼吸している
- ため息が多い(体が酸素を取り込もうとしているサイン)
- 肩や首がいつも凝っている
- 緊張すると胸のあたりが詰まる感じがする
- 長く息を吐ききるのが苦しい
当てはまるものが多いほど、呼吸が浅くなっている可能性があります。まずは「自分の呼吸に気づくこと」が、整える第一歩です。
東洋医学から見る「浅い呼吸」
東洋医学では、呼吸は「肺(はい)」の働きと深く関わるとされています。
肺は、呼吸を通じて新しい「気」を取り込み、全身に巡らせる役割を担います。呼吸が浅くなると、取り込む気の量が減り、気の巡りが滞りやすくなると考えられています。
また、肺は悲しみや憂いといった感情とも関係するとされ、気分が沈みがちなときほど呼吸が浅くなりやすいともいわれます。
深い呼吸を取り戻すことは、単に酸素を取り込むだけでなく、気を満たし、心を落ち着けることにもつながります。
呼吸を深める「中府」のツボ
呼吸の浅さに、鍼灸師として私がよく使うのが、胸の上部にある「中府(ちゅうふ)」というツボです。
場所は、鎖骨の外側の端のすぐ下、肩の付け根に近いくぼみです。左右にあります。
中府は「肺」の気が集まる場所とされ、肺の働きを高めて呼吸を深め、胸や肩の緊張をゆるめる働きがあるとされています。猫背や巻き肩で胸が閉じている人にも向いているツボです。
中府(ちゅうふ)の押し方
就寝前や入浴後、反対側の手の中指と人差し指をツボに当て、息を吐きながらゆっくり5秒押して、力を抜く。左右それぞれ5回繰り返します。
中府は反応が出やすいツボなので、強く押しすぎないこと。「気持ちいい」と感じる程度で十分です。押した後、胸が開いて呼吸が深まる感覚を確かめてみてください。
寝る前の「深呼吸メソッド」
中府をほぐした後に、深い呼吸を体に思い出させる呼吸法を取り入れてみてください。
①息を全部吐ききる
まず、肺の中の空気をすべて吐き出します。深く吸うためには、先に吐ききることが大切です。
②4秒かけて鼻から吸う
お腹がふくらむのを感じながら、ゆっくり吸い込みます。胸ではなくお腹で呼吸するイメージです。
③8秒かけて口から吐く
吸う時間の倍の時間をかけて、細く長く吐きます。吐く息を長くすることで、副交感神経が優位になります。
これを5回繰り返すだけで、体が少しずつ休息モードに切り替わっていきます。
まとめ
呼吸の浅さは、体が緊張モードから抜け出せていないサインです。
中府で胸の緊張をゆるめ、吐く息を長くする深呼吸を繰り返す。呼吸を深めることは、眠りへの入り口を開くことでもあります。
難しく考えず、まずは「吐ききる」ことから始めてみてください。
※考え事で頭が冴えて眠れない方は、こちらの夜の考えすぎを止める思考整理法|スムーズな入眠にもあわせて参考にしてみてください。



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