金曜の夜にお届けする、短い眠りのQ&Aです。今夜は、朝の布団が恋しくなってきた頃の、こんな質問から。
Q. 寒くなってから、朝どうしても布団から出られません。気合いが足りないのでしょうか。
A. 気合いの問題ではありません。寒い朝に起きられないのは、体が起きるための準備——いわば「助走」をしている途中だからです。あなたは、ちゃんと起きようとしています。
目覚ましは鳴った、頭では分かっている。それでも、布団の外の冷たい空気を思うと手が伸びない。あの、心と体がずれてしまう数分。まずは、その正体からお話しします。
体は、目覚ましひとつでは走り出せない
起きるとき、体は体温をそっと上げ、めぐりを速めて、少しずつ活動モードへ立ち上がります。飛行機が離陸の前に滑走路を走るように、この助走には、どうしても少し時間がかかるのです。
寒い朝は、その助走がゆっくりになります。外の空気が冷たいほど、体はまず熱を作る仕事から始めるので、立ち上がりに手間取ります。起きられないのは怠けではなく、季節が、体の滑走路を長くしているだけなのです。
うれしいことに、体は起きる何時間も前から、浅い眠りを少しずつ増やして、離陸の準備を進めてくれています。あとほんの少し、その助走を手伝ってあげればいい——それだけの話です。
鍼灸師の豆知識:寒い季節は、「朝がつらい」という声がそろって増えます
施術をしていると、気温が下がる頃から「朝、起きるのがしんどい」という声が、申し合わせたように増えてきます。これは人によって気合いの差があるのではなく、季節に対する体の、素直な反応。
東洋医学でも、朝は体の陽の気が立ち上がっていく時間ととらえ、寒さはその立ち上がりを、ゆるやかにすると考えます。つらいのは、あなただけではありません。
布団の中で、助走を手伝ってあげる
コツは、いきなり立ち上がらず、布団の中で体を「暖機」させてから床に足をおろすこと。順番はこうです。
- まず、光を入れる。カーテンを開けるか、枕元の明かりをつける。光は、体に「朝ですよ」と伝えるいちばんの合図です。
- 布団の中で、手足の指をグーパー。そのあと大きく伸びをひとつ。動き出す前に、めぐりへ助走をつけてあげます。
- 前の晩に、足首を温めておく。寝る前のひと手間で、朝の冷えのきつさが変わります。
ぜんぶやらなくて大丈夫。明日の朝は、起き上がる前に、布団の中で大きく伸びをひとつ。体に助走をあげてから、ゆっくり床へ足をおろしてみてください。
足元の冷えから整えたい方は、足裏だけで完結する、眠りを整えるツボ特集もあわせてどうぞ。寒い朝の自分を、どうか責めずに。体は、ちゃんと起きようとしています。


