金曜の夜にお届けする、短い眠りのQ&Aです。今夜は、寝室にもうひとり誰かがいる方からの相談です。
Q. 夫のいびきで毎晩目が覚めます。悪気がないのは分かっているので、どう伝えたらいいのかも分かりません。
A. いびきが眠りを壊すのは、音が大きいからではありません。「いつ鳴るか分からない」から。ここが分かると、打つ手が変わります。
ようやくうとうとしかけた頃に、「ゴォ」とひと声。静かになったと思えば、また不意に。あの、気が抜けない感じ。犯人は音量ではなく、その読めなさのほうです。
脳が身構えるのは、「不意打ち」に対して
換気扇の低いうなりの中では眠れるのに、いびきだと眠れない。不思議に思ったことはありませんか。ずっと同じ調子で続く音に、脳はすぐ慣れます。ところがいびきは、強くなったり、ふっと止まったり、また突然鳴る。
この不規則さが、雷のようなもの。次がいつ来るか読めないから、脳は身構えたまま、眠りの底まで降りていけません。あなたが目を覚ましてしまうのは、まっとうな反応です。
だからこそ、いちばん確実な作戦はこれ。先に眠ってしまうこと。いびきは、本人が眠りを深めるほど大きくなります。相手が本調子になる前に、あなたが先に眠りの底へ降りてしまえば、多少の雷は届きません。
鍼灸師の豆知識:いびきは、相手の体からの便りでもあります
いびきは、眠って喉のまわりの力が抜け、空気の通り道が狭くなったときに鳴る音。東洋医学では、体に余分な水分や重さがたまると、通り道がふさがりやすくなると考えます [1] 。
つまりいびきは、あなたへの嫌がらせではなく、相手の体が出しているサイン。そう思えると、伝える言葉も「うるさい」ではなく「大丈夫?」に変わります。
責めずに、二人がかりで整える
伝えるときは、「あなたのいびきが」ではなく「私たちの寝室を、もう少し眠りやすくしない?」と切り出してみてください。同じ問題を、二人で向こう側から眺める形になります。
そのうえで、寝る前にできることを一緒に。仰向けはいびきが出やすいので、相手にそっと横向きになってもらうだけでも、静かになることがあります。あなた自身は、耳栓や小さな一定音を味方に。
今週ためすなら、これひとつ。あなたが先に、布団に入る。相手より15分早く目を閉じる——それだけで、雷の届かない場所まで潜れる夜が増えます。
ただし、いびきの合間に呼吸が止まっているように見える、日中に強い眠気があるようなら、体からの便りは少し大きめです。責める話ではなく体の話として、耳鼻咽喉科などへの相談をすすめてみてください。
横向きで眠るコツは、朝スッキリ起きられない原因は『夜間の寝返り』にあり?東洋医学的アプローチもあわせてどうぞ。同じ布団の夜が、静かでありますように。

