金曜の夜にお届けする、短い眠りのQ&Aです。
暑い日がつづくいま、いちばん多いこの質問から。
Q. 夏はお風呂、シャワーだけでもいいですか?
A. 汗を流すだけならシャワーで十分。でも「寝つき」がほしい夜は、湯船に軍配が上がります。
冷房の部屋で一日過ごした夜、布団に入っても手足だけひんやりして寝つけない——夏の施術室で、意外なほどよく聞くお悩みです。
湯船の役目は「温まる」ことではなく「落差」をつくること
体は、内側の温度(深部体温)が下がっていく勢いにのって、眠りに入ります。湯船でいったん体を温めると、そのあと体温が下がる「落差」が生まれ、この落差が自然な眠気を連れてくるのです。
シャワーだけだと体の表面しか温まらず、落差が小さくなります。つまり湯船は、温まるためというより、あとでしっかり下がるための助走。夏に湯船へ入る理由は、ここにあります。
ひとつ例外があります。もう寝る直前、という時刻なら湯船は逆効果。体温が下がりきらないうちに布団に入ることになるので、その夜はシャワーで済ませるのが正解です。
夏の湯船、心地よくつづける3つのコツ
- ぬるめの38〜40℃に、10〜15分。熱いお湯は体を目覚めさせるので、夏は「少しぬるいかな」がちょうどいい温度です。
- 布団に入る90分ほど前に上がる。体温が下がりきるタイミングと眠る時刻が重なると、すっと眠りに入れます。
- 疲れて無理な日は、シャワー+足湯10分。洗面器にお湯を張り、くるぶしまで浸けるだけでも、下半身から落差づくりを助けてくれます。
毎晩でなくていいのです。今週は「よく冷房に当たったな」という夜だけ、湯船。それで十分です。
鍼灸師の豆知識:冷房の夏こそ「上熱下寒」
東洋医学には「上熱下寒(じょうねつげかん)」という言葉があります。上半身はほてるのに、足元は冷えている、ちぐはぐな状態のこと。
冷房の足元に冷気がたまり、頭は考えごとで熱をもつ夏は、まさにこの状態になりやすい季節です。
顔がほてるから暑がりだと思っていたら、足首を触るとひんやりしていた、という方は少なくありません。ぬるめの湯船は、この上下のちぐはぐをほどく、いちばん身近な手当てです。
お風呂の時間を心までゆるめる時間に変えたい方は、お風呂で「頑張りすぎる自分」を溶かす。魔法の入浴法もあわせてどうぞ。今夜もゆっくり、おやすみなさい。



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