内臓疲労と脳疲労の違いとケア方法

睡眠セルフケア

ゆっくり休んだはずの休日明け、それでも体が重い。寝ても、座ってぼんやりしても、疲れが抜けない。

それは、休み方が「疲れの種類」に合っていないのかもしれません。

ひとくちに疲れといっても、大きく分けて「内臓疲労」と「脳疲労」の2種類があります。この2つは、休ませ方がまったく違うのです。

内臓疲労と脳疲労は、別の種類の疲れ

台所にたとえると、分かりやすいかもしれません。

内臓疲労は、使いっぱなしのコンロのような疲れです。食べたものを消化し続け、休む間もなく働いている。暴飲暴食や、冷たいものの摂りすぎ、夜遅い食事で、内臓は火を止められないまま働き続けます。

一方、脳疲労は、洗い物が山積みのまま片付かないシンクのような疲れです。仕事の判断、スマホからの情報、人間関係の気づかい。処理しきれない情報がたまり続け、頭の中が雑然としていきます。

体は休めているのに頭が休まらない、あるいはその逆。「どちらの疲れか」を見分けることが、正しい休み方への第一歩です。

あなたの疲れは、どちらのタイプ?

2つの疲れは、現れ方に違いがあります。心当たりを確かめてみてください。

内臓疲労が強いとき:食欲がない、食後に強い眠気、胃もたれ、体が重だるい、お腹が張る。食生活の乱れが続いているときに出やすい疲れです。

脳疲労が強いとき:考えがまとまらない、集中力が続かない、寝つきが悪い、気持ちが落ち着かない、判断するのがおっくう。情報や緊張が続いたときに出やすい疲れです。

そして多くの場合、この2つは重なって現れます。脳が疲れると自律神経が乱れて内臓の働きが落ち、内臓が疲れると気力が出ず脳も働きにくくなる。おたがいに影響し合っているのです。

東洋医学では「脳と内臓は気でつながる」

東洋医学には、脳疲労と内臓疲労を別々のものと切り離さず、ひとつながりの「気」の問題として捉える視点があります。

考えすぎは「脾(ひ)」という消化を担う臓を疲れさせ、内臓の疲れは気血の不足を招いて頭の働きを鈍らせます。頭の疲れと内臓の疲れは、気の巡りを通して、たえず行き来していると考えるのです。

だからこそ東洋医学では、頭だけ、内臓だけを休ませるのではなく、気の巡り全体を整えて、両方をいっしょに休ませることを大切にします。

頭と内臓をつなぐ「完骨」のツボ

脳疲労と内臓疲労の両方にアプローチできるツボとして、鍼灸師として私がよく使うのが、耳の後ろにある「完骨(かんこつ)」です。

場所は、耳の後ろの出っぱった骨(乳様突起)の下から、髪の生え際に向かって少し下がったくぼみです。

完骨は頭部の緊張をゆるめて脳の疲れを鎮めると同時に、副交感神経を整えて内臓への血流を促すとされるツボです。まさに、頭と内臓の両方に橋をかけるような場所にあります。

完骨(かんこつ)の押し方

両手の親指を左右の完骨に当て、残りの指で頭を包むように支えます。息を吐きながら、頭の中心に向かって下から上へゆっくり押し上げ、吸いながら力を抜きます。

これを5〜6回。「気持ちいい」と感じる程度の力で十分です。就寝前に行うと、頭の緊張がほぐれ、内臓も休息モードに入りやすくなります。

疲れの種類に合った休み方

2つの疲れは、休ませ方を変えるとぐっと回復しやすくなります。

内臓疲労には「消化を休ませる」:胃腸を働かせ続けないことが回復の鍵です。夕食を就寝3時間前までに済ませる、腹八分目にする、温かいものを摂る。食べない時間をつくることが、内臓にとっての休息になります。

脳疲労には「情報を断つ」:頭を休めるには、刺激を減らすことが先決です。スマホから離れる時間をつくる、目を閉じる、自然の中をゆっくり歩く。「何もしない時間」こそ、脳にとっての片付けの時間になります。

両方に効くのが「睡眠」:内臓の修復も、脳の情報整理も、深い睡眠中に進みます。夜にしっかり眠ることが、2つの疲れを同時に回復させる、いちばんの近道です。

まとめ

休んでも疲れが取れないときは、「内臓の疲れ」と「頭の疲れ」、どちらが強いかを見分けてみてください。

内臓には消化を休ませる時間を、脳には情報を断つ時間を。そして完骨をやさしく押して、両方をつなぐ気の巡りを整える。

今夜は、スマホを少し早く手放して、耳の後ろにそっと触れてみてください。体と頭の両方が、ゆっくり休める夜になりますように。

※寝ても疲れが取れない状態が続く方は、こちらの寝ても疲れが取れない原因と今日からできる対策もあわせて参考にしてみてください。

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