【めぐるのお灸教室】第1回 最初のお灸は、ツボを狙わなくていい

睡眠セルフケア

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「お灸、ずっと気になってはいるんです。でも、火を使うのがなんだか怖くて」——施術室でこの言葉を聞くたび、わたしは少しうれしくなります。

怖いと感じるのは、火をまじめに扱おうとしている証拠だからです。

今日から始まるこの教室では、そんな方と一緒に、週に一度、手を動かしながらお灸を覚えていきます。

第1回は、ツボを探しません

初めてのお灸がうまくいかない原因は、たいていひとつです。ツボ探しと火の扱い、ふたつの「初めて」を同時にやろうとすること

ツボの位置に自信がないまま、慣れないライターを握って、熱さにも身構えて——これでは緊張して当然です。

料理を始める日に、包丁研ぎから教わる人はいません。

だから第1回は、思いきってツボを後回しにします。

今夜の目標は、火をつけて、のせて、外して、消す。この一連の流れに手が慣れること、それだけです。

のせる場所は、腕の内側やすねなど、平らで目に見えるところなら、どこでも構いません。触ってみてひんやりした場所なら、温める意味もちゃんとあります。

ツボの正確な探し方は、次回たっぷりやります。

準備するもの・4つ

  • 台座灸(ソフトタイプ):裏にシールのついた、台の上にもぐさがのった市販のお灸です。必ずいちばん温度のやさしい「ソフト」「弱」を選んでください。熱いほど効く、は誤解です
  • 柄の長いライター:チャッカマンのような点火棒が安全です。指先と火の距離がとれます。
  • 水を少し入れた小さな器:使い終わったお灸を入れて、確実に消火するため。灰皿でも空き瓶でも。
  • フェイスタオル:のせる場所の下に敷いておくと、万一落ちたときも慌てません。

ところで、台の上にのっている「もぐさ」の正体は、よもぎです。春に草餅へ練り込む、あのよもぎ。

葉の裏にある白い綿毛だけを集めて、乾かして、ふわふわに精製したものがもぐさになります。

火をつけると、お香に似た、少し甘い草の香り。この香りが好きでお灸を続けている、という方も少なくありません。

煙やにおいが気になる住まいの方には、煙の出ないタイプもあります。鍼灸の現場でも広く使われている定番で、やさしい温度から選べます。

据え方・5つのステップ

  1. 場所を決めて、タオルを敷く。腕の内側やすねの、平らでひんやりした場所。座ったまま手が届き、目で見える範囲に。
  2. シールを剥がして、指先に貼る。台座の裏のシールを剥がし、利き手と逆の手の、人差し指の腹に軽く貼りつけます。
  3. 指の上で、火をつける。もぐさの先にライターの火を近づけ、細い煙が立てば点火完了。体の上で直接火をつけるのは危険なので、必ず指の上で。
  4. 決めた場所に、そっとのせる。温かさは、あとからゆっくりやってきます。3〜5分ほどで燃え尽き、台座の熱が冷めたら終了の合図です。
  5. 台座をつまんで外し、水の器へ。途中でピリッと鋭い熱さを感じたら、燃えている途中でも迷わず外してください。我慢は禁物です。

行うタイミングに、決まった正解はありません。

朝の身支度のあとでも、夜のテレビの前でも、あなたが毎週つづけやすい時間がいちばんです。お灸は一回の熱さより、つづくことが力になります。

ひとつだけ避けてほしいのが、お風呂上がりです。湯上がりの皮膚は柔らかくなっていて、ふだんより火傷をしやすい状態。入浴の前後1時間ほどは空けてください。

お灸教室・毎回の約束(安全のきほん)

  • 熱いと感じたら我慢せず、すぐ外す(水ぶくれを防ぐいちばんの基本です)
  • 同じ場所に続けて何個も据えない(慣れるまでは1〜2個まで)
  • 顔・粘膜・湿疹や傷のある場所には使わない
  • 妊娠中の方、糖尿病などで皮膚の感覚が鈍くなっている方、飲酒時・発熱時は自己判断で行わず、かかりつけ医や鍼灸師に事前に相談を
  • 窓を開けるか換気扇を回し、終わったら水で完全に消火
  • 初めての日に何個も据えると、だるさやのぼせ(灸あたり)が出ることがあります。今日は1個で切り上げるのが上手な始め方です

よくあるつまずき

Q. あまり熱くならなかったんですが、効いていますか?

はい、それでちょうどいいのです。お灸は熱さを我慢する修行ではなく、心地よい温かさでめぐりを助ける手当て。じんわり温かい、くらいが理想です。

物足りなければ、同じ場所にもう1個だけ足せば十分です。

今週の宿題は、たった1個。火をつけて、のせて、外して、水で消す。ここまでできたら、あなたはもう「お灸をする人」です。

足元の冷えが気になっている方は、冷え性で眠れない夜に。足元を温めて気血の巡りを良くする簡単温活習慣も予習にどうぞ。

次回は、いよいよツボの探し方。指の幅で測る、体の地図の読み方をお伝えします。

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