夜中の2時や3時、決まった時間にふと目が覚める。心臓が少しドキドキしていたり、寝汗をかいていたり。
そして一度起きると、なかなか寝つけない。
その夜中の覚醒には、眠っている間の血糖値の動きが関係しているかもしれません。意外に思えるかもしれませんが、夕食の食べ方と夜中の目覚めは、深くつながっているのです。
夜中に目が覚める「血糖値」の仕組み
糖質の多い食事を一度にとると、血糖値が急に上がります。すると体は、それを下げようとインスリンを大量に分泌します。
その反動で、眠っている間に血糖値が下がりすぎてしまうことがあります。これが「夜間の低血糖」と呼ばれる状態です。
血糖値が下がりすぎると、体はそれを上げようとして、アドレナリンやコルチゾールといった覚醒を促すホルモンを分泌します。その結果、交感神経が優位になり、夜中にぱっと目が覚めてしまうのです。
夜中に目が覚めたとき心臓がドキドキしていたり、寝汗をかいていたりするのは、このホルモンが働いているサインのことがあります。日中に甘いものや糖質に偏った食事が続いている方ほど、起こりやすいと言われています。
東洋医学から見る「夜中の覚醒」
東洋医学では、夜は「血(けつ)」が肝に戻り、心身が静かに休まる時間とされています。
食べたものから作られる「気血」が十分に足りているとき、夜は穏やかに眠り続けられると考えられています。逆に、血糖値の乱れのように体の中が落ち着かないと、夜中に「心(しん)」が乱され、目が覚めやすくなります。
東洋医学でいう「心」は、心臓の働きだけでなく、精神の安定も司る存在です。夜中にドキドキして目が覚めるのは、この「心」が揺さぶられているサインと捉えることができます。
心を落ち着ける「陰郄」のツボ
夜中の動悸や寝汗をともなう覚醒に、鍼灸師として私がよく使うのが、手首にある「陰郄(いんげき)」というツボです。
場所は、手のひらを上に向けて、小指側の手首のしわから指の幅半分ほど上がったところ。腱のすぐ外側のくぼみです。
陰郄は「心」を司る経絡の上にあるツボで、動悸や寝汗を鎮め、高ぶった心を落ち着けるとされています。夜中に目が覚めて心臓がドキドキするようなとき、心を穏やかに整えるのを助けてくれます。
陰郄(いんげき)の押し方
反対の手の親指をツボに当て、息を吐きながらゆっくり5秒押して、吸いながら力を抜く。左右それぞれ5回繰り返します。
就寝前に行うのはもちろん、夜中に目が覚めてしまったときに、布団の中でそっと押すのもおすすめです。強く押さず、心を落ち着けるイメージで優しく行ってください。
夜中の覚醒を防ぐ、夕食の工夫
夜中の血糖値の乱れを防ぐには、夕食の食べ方がいちばんの鍵になります。
①糖質に偏らず、たんぱく質も摂る
ごはんやパンだけの食事は血糖値が乱れやすくなります。豆腐・卵・魚など、消化にやさしいたんぱく質を組み合わせると、血糖値の変動がゆるやかになります。
②野菜やたんぱく質から食べ始める
いきなり糖質から食べると血糖値が急上昇します。汁物や野菜、おかずを先に食べることで、上昇がおだやかになります。
③日中の「甘いもののドカ食い」を避ける
夜中の低血糖は、実は日中の血糖値の乱高下から始まっています。昼間に甘いものを一気に摂る習慣を見直すことが、夜の安定につながります。
それでも目が覚めてしまったら
夜中に目が覚めてしまったとき、どうしてもお腹が空いて眠れない場合は、少量のはちみつ(小さじ1杯ほど)を摂ると、血糖値がゆるやかに整い、落ち着くことがあります。
ただし、摂りすぎると今度は血糖値を乱す原因になるので、ほんの少量にとどめてください。基本は、陰郄をそっと押して、ゆっくり呼吸を整えながら、再び眠りに戻るのを待つのがおすすめです。
まとめ
夜中に決まった時間に目が覚めるとき、その背景に血糖値の乱れが隠れていることがあります。
夕食でたんぱく質を摂り、食べる順番を整え、日中の甘いものを控えめに。そして陰郄をそっと押して、高ぶった心を落ち着ける。
夜中の覚醒は、体が発している小さなサインです。食べ方をやさしく整えることで、朝までゆったりと眠れる夜に近づいていきます。
※自律神経の乱れも気になる方は、こちらの自律神経が乱れる原因と内臓から整えるケア方法もあわせて参考にしてみてください。



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