昼食を食べた後、午後の会議で猛烈な眠気に襲われる。デスクでうとうとして、仕事が進まない。
そんな経験を繰り返していませんか。
この昼間の強い眠気は、「気合が足りない」のではありません。食事と自律神経、そして血糖値の動きが関係しているのです。
食後に眠くなる本当の理由
食事をすると、糖質が分解されて血糖値が上がります。これに対して、すい臓からインスリンが分泌され、血糖値を下げようと働きます。
ところが、糖質の多い食事を一気にとると、血糖値が急上昇し、それを下げようとインスリンが大量に出ます。その結果、今度は血糖値が下がりすぎて、強い眠気やだるさを引き起こすことがあります。
この急上昇と急降下は「血糖値スパイク」と呼ばれます。血糖値が乱高下すると、自律神経も急激に切り替わり、眠気だけでなくだるさやイライラの原因にもなります。
さらに、食後は消化のために胃腸へ血液が集まり、脳への血流が一時的に減ることも、眠気を強める一因です。
東洋医学から見る「食後の眠気」
東洋医学では、消化吸収を担うのは「脾(ひ)」の働きとされています。
脾は、食べたものから気血を作り出す大切な臓腑です。ところが、食べすぎや冷たいもの、甘いもののとりすぎで脾が疲れると、その働きが鈍り、食後にひどい眠気やだるさが出やすくなると考えられています。
「食後に動けなくなる」「いつも体が重い」という方は、脾が疲れているサインかもしれません。脾をいたわることが、午後の眠気対策の土台になります。
脾の働きを高める「太白」のツボ
食後の眠気や体の重だるさに、鍼灸師として私がよく使うのが、足の内側にある「太白(たいはく)」というツボです。
場所は、足の親指の付け根の出っぱった骨の、すぐ後ろのくぼみ。足の裏と甲の境目あたりにあります。
太白は「脾経」の代表的なツボ(原穴)で、消化機能を整え、気血を生み出す力を高め、体の重だるさをやわらげるとされています。
太白(たいはく)の押し方
親指の腹をツボに当て、息を吐きながらゆっくり5秒押して、力を抜く。左右それぞれ5回繰り返します。
食後すぐは避け、仕事の休憩中や寝る前に行うのがおすすめです。強く押しすぎず、「気持ちいい」と感じる程度で。靴下の上からでも、座ったまま手が届きやすいツボです。
眠気を防ぐ「食事の時間と食べ方」
昼間の眠気は、食事のちょっとした工夫でやわらげられます。
①野菜やたんぱく質から食べる
いきなり白米やパンなどの糖質から食べると血糖値が急上昇します。野菜・汁物・おかずを先に食べることで、血糖値の上昇がゆるやかになります。
②腹八分目を心がける
食べすぎは消化の負担を増やし、脾を疲れさせます。満腹まで食べないことが、午後の眠気を防ぐ近道です。
③よく噛んでゆっくり食べる
早食いは血糖値を急上昇させます。一口ごとによく噛むことで、消化の負担も減り、血糖値の変動もゆるやかになります。
食事以外でできる、午後の眠気対策
食べ方を整えても眠くなるときは、次の習慣も取り入れてみてください。
昼食後に5分だけ歩くと、血糖値の急上昇がゆるやかになり、食後の眠気がやわらぎます。激しい運動は不要で、オフィスの中を少し歩くだけでも効果があります。
どうしても眠いときは、15時までに15〜20分の短い仮眠をとるのも有効です。それ以上長く眠ると夜の睡眠に影響するため、短く区切るのがポイントです。コーヒーを飲んでから仮眠すると、目覚めるころにカフェインが効いてすっきりしやすくなります。
反対に、眠気覚ましに甘いものを食べるのは逆効果になりがちです。一時的に目が覚めても、再び血糖値が急降下して、さらに強い眠気を招くことがあります。
まとめ
昼間の眠気は、意志の弱さではなく、血糖値の変動と脾の疲れが関係しています。
太白で脾の働きを助け、食べる順番と量を整える。食事の工夫ひとつで、午後の過ごし方は大きく変わります。
まずは「野菜から、ゆっくり、腹八分目」を、明日の昼食から試してみてください。
※食後すぐの眠気が特に気になる方は、こちらの食後にすぐ眠くなる原因と防ぐための食事法もあわせて参考にしてみてください。



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